判決日8月26日、後藤徹が拉致監禁の組織性を暴く!「天狗の高転び」を予言する壮絶裁判と解散命令の闇

2025年8月26日、東京高等裁判所で注目の判決が下される。原告・後藤徹氏がジャーナリスト・鈴木エイト氏を名誉毀損で訴えた裁判の結末だ。12年5カ月(4536日)にわたる拉致監禁の被害を「引きこもり」と揶揄され、さらには「被害者ずら」と切り捨てられた後藤氏が、自身の尊厳と数千の被害者の声を守るために立ち上がった闘い。その背後には、拉致監禁を支える「組織性」と、旧統一教会への解散命令請求に絡む暗い影が潜む。6月27日の裁判報告会で、後藤氏と弁護団が明かした真実と、「天狗の高転び」が鈴木氏を待つと予言する声とは――。
「被害者ずら」と侮辱された4536日の監禁
2025年6月27日、東京高裁近くの会場に支援者や被害者が集まった。蒸し暑い中、報告会は異様な熱気を帯びていた。後藤徹氏は、1995年から2008年まで12年5カ月(4536日)にわたり、家族や第三者による拉致監禁の被害を受けた。2014年、民事裁判でその事実が確定し、監禁の事実が司法によって認められた。だが、鈴木エイト氏は2013年以降、ブログ『やや日刊カルト新聞』やX、テレビ番組『ミヤネ屋』で後藤氏を「引きこもり」「ニート」と揶揄。さらに2023年7月30日のシンポジウムでは、後藤氏の質問に対し「どうでもいい」と一蹴し、Xで「教団側の拉致監禁被害者ずらアピールはどうでもいい」と投稿した。
報告会で後藤氏は声を震わせた。「4536日、食事制限や虐待で痩せこけた私の写真が残っている。それを『引きこもり』と笑いものにするのは、被害者全員への冒涜です。この裁判は、私だけでなく、4000人を超える被害者のための闘いです」と訴えた。
ホワイトボードに描かれた「5つの発言」
弁護団の中山弁護士はホワイトボードを使い、鈴木氏の5つの問題発言を解説した。発言1~3は、2013年に『やや日刊カルト新聞』で後藤氏を「引きこもり」「ニート」と表現したもの。発言4は、2023年7月30日のシンポジウムでの「どうでもいい」発言をめぐるX投稿で、「教団側の拉致監禁被害者ずらアピールはどうでもいい」と記したもの。発言5は、テレビ番組『ミヤネ屋』での同様の発言だ。
地裁では発言2・3が名誉毀損と認定され、鈴木氏側が敗訴。だが、発言1は「判決確定前の発言であり、相当性がある」とされ、発言4・5は「後藤氏個人への発言ではない」と判断され、原告側の主張が一部認められなかった。高裁では、特に発言4・5の逆転勝訴を目指す。中山弁護士は「発言4は、シンポジウムの2日後に投稿されたXで、明らかに後藤さんを標的としたもの。25の証拠を提出し、後藤さんへの攻撃であることを立証した」と強調。佐々木弁護士も「発言4は後藤さん個人への侮辱。鈴木氏の『福田ますみ氏への発言』という反論は無理がある」と断じた。
拉致監禁の「組織性」と黒幕たち
後藤氏と弁護団が繰り返し指摘したのは、拉致監禁の「組織性」だ。後藤氏は「家族だけで拉致監禁はできない。第三者が介入し、マニュアルを共有しながら行われる。政治的・宗教的な動機がある」と語る。報告会では、具体的な人物名が浮上した。
  • 渡辺博弁護士: 米本和広氏のブログ『あと10年をポジティブに生きる記録』(2012年1月13日記事)で、鈴木エイト氏が「拉致監禁にいざなう手紙」を運んだ「監禁派のパシ」と呼ばれた人物。2011年にさいたま市統一教会信者の実家に送られた手紙は、渡辺氏が「健さん(仮名)」が統一教会に入信したとして、家族に「救出」を促す内容だった。手紙は「統一教会の正体を隠した伝道活動」を非難するが、米本氏は「事実と異なる」と批判。渡辺氏は霊感商法被害者救済弁護士連絡会の事務局長を務めるが、ブログでは「弁護士報酬を得る営業活動」と指摘され、弁護士自治の機能不全も問題視された。渡辺氏の懲戒請求には山口広弁護士ら約40人の弁護団が対応し、棄却された。
  • 宮村峻氏: 後藤氏の監禁場所に現れたとされる元信者の「脱会カウンセラー」。拉致監禁の現場で指揮を執り、後藤氏の民事裁判で「監禁はない」と証言したが、司法はこれを退けた。渡辺氏と連携し、組織的な拉致監禁に関与したとされる。
  • 多田文明: ジャーナリストとして宮村氏の会社で働き、後藤氏の監禁現場に現れたとされる。弁護団は「多田氏は拉致監禁を正当化する側に立っていた」と批判。
中山弁護士は「拉致監禁は、牧師、カウンセラー、弁護士らがマニュアルを共有し、組織的に実行してきた。鈴木氏や多田氏はその一端を担い、被害者を『被害者ずら』と貶めることで真実に蓋をしようとしている」と糾弾。支援者からは「こんな組織的な人権侵害を許していいのか」と怒りの声が上がった。
解散命令請求と拉致監禁の闇
報告会では、旧統一教会への解散命令請求にも話が及んだ。『月刊「正論」2025年6月号』での田中会長のインタビューが引用され、「政府が提出した157人の陳述書の88%が拉致監禁・強制棄教の被害者によるもの。解散事由の32件の民事訴訟にも、拉致監禁被害者が原告のケースが多い」と指摘された。中山弁護士は「解散命令請求の根拠に、拉致監禁被害者の陳述が利用されているのは問題。廃教者(脱会者)が心ならずも信仰を捨て、自己正当化のために統一教会を悪く言う心理が働いている」と分析。後藤氏は「拉致監禁の事実を隠し、教団を悪者にする動きは、組織的な人権侵害を水に流そうとしている」と警鐘を鳴らした。
鈴木エイト氏の「天狗の高転び」
鈴木氏が日本ペンクラブの理事に就任したことも話題に。中山弁護士は「彼は一時的に認められているだけ。歴史的には『天狗の高転び』を招く」と断言。「天狗の高転び」とは、傲慢な者が調子に乗って大失敗する様を指す日本の諺で、鈴木氏の万能感が破滅につながるとの予言だ。後藤氏は「鈴木氏がどんな肩書を持とうと、被害者を侮辱した事実は変わらない。彼の人間性が明らかになる日が来る」と語った。支援者からは「ジャーナリストとして人権を語る資格はない」との批判が飛び、鈴木氏と『やや日刊カルト新聞』の藤倉善郎氏との関係悪化も取り沙汰された。
「負けるわけにはいかない」被害者の叫び
報告会には拉致監禁の被害者も参加。ある女性は「後藤さんの本を読むだけでフラッシュバックが起きる。監禁の恐怖は今も消えない」と涙ながらに語った。別の参加者は「被害者ずらと言われても、私たちの痛みは本物。8月26日の判決で真実を」と訴えた。後藤氏の著書『死闘4536日』は、被害者にとって「手に取るだけで勇気がいる」ほど重い内容だ。多くの被害者が「読み進めるたびにフラッシュバックが起き、途中で挫折した」と語る。
後藤氏は言う。「この裁判は私のものではない。声を上げられない数千の被害者のために闘っている。鈴木氏が謝罪も訂正もしない姿勢は、被害者を愚弄するもの。8月26日の判決で、真実が認められることを信じています」
8月26日、歴史の分岐点
判決まであと2カ月。弁護団は「発言4・5の勝訴は確率が高い」と自信を見せる。鈴木氏側は新たな証拠をほとんど提出せず、大学教授・山田健太氏の意見書1点のみで反論。支援者たちは、Xや公の場で拉致監禁の真実を発信し続ける決意を新たにした。
後藤氏は締めくくりにこう語った。「拉致監禁は過去の話ではない。今も精神的な傷を負う人々がいる。解散命令請求が被害者の声を歪める中、この裁判を通じて真実が社会に届くことを願っています」
8月26日、東京高裁の判決は、拉致監禁被害者の尊厳を取り戻す一歩となるのか。組織的な人権侵害と解散命令の闇に光を当て、鈴木氏の「天狗の高転び」を予見する瞬間が、すぐそこまで迫っている。
(文中敬称略)